『維新ふるさと館』は幕末の志士たちの痕跡を辿る資料館!
鹿児島県鹿児島市。幕末に躍動した志士たちの多くは、同じ町内から生まれています。それが鹿児島市加治屋町。その町内の片隅にあるのが『鹿児島市維新ふるさと館』です。
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加治屋町は維新の志士たちのふるさと!西郷も大久保も東郷平八郎もみんな同じ町内出身!
鹿児島県鹿児島市の中心ターミナル、鹿児島中央駅からほど近いところに「加治屋町」と呼ばれる一画があります。この辺りは、鹿児島城の城下町で、御小姓組と呼ばれる下級武士の武家屋敷が並んでいました。
ここ加治屋町は、かの西郷隆盛が生まれた地…!それだけでも充分すごい土地なのですが…さにあらず。ここから出た人物たちがものすごいんです。
- 西郷隆盛(維新三傑のひとり/陸軍大将/参議)
- 大久保利通(維新三傑のひとり/大蔵卿/内務卿)
- 大山巌(陸軍大臣/元帥陸軍大将/日露戦争時満州軍総司令長官)
- 西郷従道(海軍大臣/元帥海軍大将)
- 東郷平八郎(元帥海軍大将/日露戦争時の連合艦隊司令長官)
- 黒木為楨(陸軍大将/日露戦争時の陸軍第一軍司令官)
- 樺山資紀(内務大臣/海軍大将/台湾総督)
- 山本権兵衛(内閣総理大臣/海軍大将)
この錚々たる面々!西郷隆盛と大久保利通は別格としても、彼ら以下に陸軍海軍の重職を勤めた人間がズラリ!
かの司馬遼太郎は、この地を訪れてこんな感慨を漏らしています。
西郷隆盛ら、明治維新を成し遂げた元勲だけでなく、その下の世代の人物たちは、明治日本の集大成ともいえる日露戦争の当事者として軍の統率者の任を全うしました。司馬遼太郎の「坂の上の雲」にも登場するこれらの人物全員が、ここ「加治屋町」の出身というから驚くばかりです。
言ってみれば、わずか250m四方に満たない、鹿児島城下の小さな町内会が…徳川幕府を倒す革命を成し遂げ、新たに作り上げた国家を運営し、さらにロシアという大国の脅威を取り除く戦いを率いたのです!なんとも偉大な町内会ではないですか!
現在の加治屋町は、その中央に鹿児島県立鹿児島中央高等学校が建てられていますが、その周辺には、「東郷平八郎誕生地」「大山巌誕生地」などの碑が置かれています。
そんな偉人たちのふるさとである加治屋町の片隅に、幕末から明治時代までの資料を集めて展示しているのが…『鹿児島市維新ふるさと館』です。
加治屋町/維新ふるさと館へのアクセス
加治屋町にある『維新ふるさと館』へは、鹿児島市のメインターミナルである鹿児島中央駅から徒歩8分ほどでアクセスできます。市内を流れる甲突川にかかる南洲橋を渡ると左手に見えてきます。
お車の場合は、鹿児島中央駅からおよそ5分ほど、九州自動車道の鹿児島ICからですと10分ほどで到着します。
すぐ近くに『維新ふるさと館』専用駐車場がありますのでそちらをご利用ください。甲突川のほとりにある観光交流センターの駐車場も利用可能です。
加治屋町の見どころ!英雄たちの生まれた町!
加治屋町の見どころは、なんと言っても幕末明治の偉人たちの「ふるさとの息吹き」を感じられることです。
実際に歩いてみると分かりますが、鹿児島藩の政庁であった鹿児島城(鶴丸城)から、ここ加治屋町まではかなり離れています。一般的に、城から近いエリアほど上級武士の屋敷が並び、離れれば離れるほど身分は下がっていきます。
ここ加治屋町辺りは、城下町の中でも外れになります。つまり、西郷隆盛ほか維新の志士たちは…下級武士の生まれにすぎなかったのです。実際、西郷の生家は「小姓組」という、下から2番目という低い身分だったと言われています。
現在ここ加治屋町一帯は宅地化され、当時を偲ぶものはほとんど残っていません。西郷隆盛、従道兄弟の生家跡は公園として整備されていますが、その他は石碑と案内板が置かれるのみ。ただ、こんな何の変哲もない城下町の外れに…幕末から明治にかけて国を導いた人物たちが生まれ育った…というところが、非常に感慨深いものがあります。
『維新ふるさと館』の見どころ!
さて、加治屋町一帯を歩いて、鹿児島市の運営する博物館『維新ふるさと館』へとやって来ました。
こちらは、1994年にオープンした幕末の偉人たちを取り扱う博物館です。2006年に大幅にリニューアルして、現在の展示になりました。
ここ『維新ふるさと館』最大の見どころは、地下1階にあるシアターで上映されるジオラマドラマです。
こちらの上映されるドラマには、結構驚く仕掛けがされていますので、必ず視聴されることをおすすめします。現在は明治維新を成し遂げた志士たちによる「維新への道」と、薩摩藩が英国へ留学生を派遣した様子を描いた「薩摩スチューデント、西へ」の2本を上映しています。
館内には、幕末から明治にかけて、ここ加治屋町で生まれ育った若者たちが成し遂げた数々の功績をたくさんの資料とともに展示しています。
また、NHK大河ドラマで使用された衣装や小物なども展示していますので、ファンには堪らないスペースもあります。
こちらは、NHK大河ドラマ「西郷どん」で実際に使用された衣装。
こちらも、NHK大河ドラマ「天璋院篤姫」で実際に使用された衣装たちです!実際に宮﨑あおいさんが着用されたものも展示されていましたよ。
西郷隆盛をはじめ、ここ加治屋町で生まれ育った幕末・明治の英傑たち。彼らはこの国のリーダーとして国を動かし、現代まで続く繁栄の礎を作った人々です。
そんな彼らも、元は薩摩藩の下級武士の倅。半径250mに満たない下級武士たちの小さな町・加治屋町から出た偉人たちを見て、アメリカの国務長官を務めたウィリアム・ブライアン氏は「ヒーローズ・クォーター(英雄たちの区画)」と、感嘆したと伝わっています。
【秋の南九州旅行記】4日目。この日は鹿児島市内の観光を済ませてから熊本へ移動。熊本空港から東京へ戻る行程です。まずは熊本駅へ移動してランチをいただくことにしました。次回もお楽しみに!
『鹿児島市維新ふるさと館』の基本情報
アクス
九州自動車道 鹿児島IC/鹿児島北ICより15分
営業時間
9:00-17:00
定休日
年中無休
入場料金
大人300円 小人150円
駐車場
来館者用駐車場あり
アドレス
099-239-7700