さて。前回の神宮の話に引き続き、今回は大社の話。
それでは一方の大社とはなんでしょうか?
ところで…皆さん、出雲大社の正式な名称はご存知ですか?
え?『出雲大社』じゃないの?
ええ!正解です!
ですが?
声に出して読んで見てください(笑)
正式な名称は…
『いづものおおやしろ』!
『いずもたいしゃ』じゃないんです!!
もちろん簡易的に『いずもたいしゃ』と言うことはあります。
ですが、本来の正式名称は『いづものおおやしろ』なんです!
【大社】
神宮と同じように単に大社(おおやしろ)と言った場合は出雲大社ただひとつを指します。
それとは別系統。
延喜式(古代の神社録)では神社は官幣社、国幣社に分けられ、それぞれ大社・中社・小社の社格に分けられていました。
各々のうち大社に格付けされた官幣大社、国幣大社も大社(たいしゃ)と呼びます。
これは延喜式に記されているだけでも500社弱記載されています。
特徴として、天皇家とその直系ではなく出雲のオオクニヌシ系統(国津神)や土着の神様をお祀りした 神社が多いこと。
代表的な大社(これら以外にもいっぱいあります)
・出雲大社
→オオクニヌシを祀る、唯一無二の『おおやしろ』。
かつては日本最大、48mもの巨大神殿があったとされる。
・熊野大社
→イザナギの子スサノオを祀る。後に紀州熊野へ移り熊野本宮となったという説もある。
・宗像大社
→海神・宗像三女神を祀る。
福岡県宗像市。
→稲荷神を祀る、稲荷神社の総本社。
・多賀大社
・気多大社
→オオクニヌシ(オオナムチ)を祀る。
石川県羽咋市。
・諏訪大社
長野県諏訪市と周辺。
→富士山の女神コノハナサクヤヒメを祀る。
・三嶋大社
・日吉大社
→オオクニヌシと山の神(オオヤマクイ)を祀る。明治期までは比叡山延暦寺と統合されていた。
・春日大社
などなどなど。
これら大社の多くは戦後になってから社格を大きく見せるよう独自に大社の呼称を付けるようになったと言われています。
いわゆる、『大社(おおやしろ)』は出雲のみを指す。
これと、
『官幣大社(かんぺいたいしゃ)』
『国幣大社(こくへいたいしゃ)』
は同じ『大社』でも意味合いが違うのですね。
コロナウィルスの影響で、惜しくも前倒して閉幕してしまいましたが…。
出雲と大和の文化財を集めた特別展『出雲と大和』についての記事はこちら。
日本の国土を開いた
国譲りを受けてこの国の支配者となった
『大和(&伊勢)』『アマテラス』『天津神』といった神宮の系統
神話と発掘された文化財を統合すると…日本の歴史の原点が見えてくる…やも知れません。