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【島根】『日御碕神社』は伊勢神宮と対角!?日の沈む地に建つ神社!

『日御碕神社』は日の沈む聖地を祀る夜の守護神!

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出雲大社の北西。出雲の角に鎮座する『日御碕神社』は日が落ちる西の果て。ここは「昼の守護神」伊勢神宮と相対す「夜の守護神」として古来重要視された聖地のひとつといわれています。

 

筆者紹介

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こちらの記事は【サンライズ出雲で行く出雲神社めぐり旅行記】よりシリーズでお届けしております。

 

 

『日御碕神社』の歴史

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『日御碕神社』は、『出雲国風土記』に美佐伎社、『延喜式』に御碕社として名を残す、非常に長い歴史を持つ神社です。

 

『日御碕神社』は「神の宮」と「日沈宮」というふたつのお社からなっており、「神の宮」には素戔男尊(スサノオ)が、「日沈宮」には天照大神(アマテラス)が各々祀られています。

 

社伝によると、出雲国作りを終えた素盞鳴尊(スサノオノミコト)は、自らの鎮まる地を求めて、柏葉を風に流して占いを行ったところ、ここ日御碕近くの隠ヶ丘に止まりました。

 

スサノオの御子・天葺根命(アメノフキネノミコト)が、スサノオの御魂をその地で奉斎したものが、ここ『日御碕神社』の神の宮であると伝わっています。

 

もうひとつの本殿である日沈宮は元は沖合いに浮かぶ経島に鎮座していました。アメノフキネが経島にいたときに、天照大神が降臨し「汝速かに我を祀れ」との神勅によって奉斎したのが始まりとされています。

「神の宮」は、現在の社殿の背後にある山にありましたが、安寧天皇の時代に勅命があり現在の地へと遷されてきました。

 

また「日沈宮」も、かつて経島に置かれていましたが、村上天皇の時代に勅命があり、現在地へと遷されています。

 

なお、元々「日沈宮」があった経島は聖地として一般人の上陸は許されていません。唯一、ここ『日御碕神社』の宮司ただひとりのみが、年に一度だけ上陸し、祝詞をあげているそうです。

 

ここ『日御碕神社』は古くから朝廷の尊崇が厚く、鎌倉時代以降は山陰地方では出雲大社に次ぐ寺領を得ていました。

 

現在の社殿は、江戸時代に徳川家光の命によって作られたもので、松江藩主・京極忠高によって造営されました。完成は約10年後、京極家に代わって松江藩主となった松平直政の代になってから…と言われています。「神の宮」「日沈宮」共に国の重要文化財の指定を受けています。

 

なお、ここ『日御碕神社』の「日沈宮」は、日の沈む聖地として知られています。

 

同じ天照大神をお祀りする伊勢神宮は、日の昇るところの聖地。それに対して「日沈宮」は日の沈むところの聖地。

 

伊勢神宮」は昼の守護神として、「日沈宮」は夜の守護神として…日本の昼夜をセットで守っていると言われています。

 

『日御碕神社』の見どころ

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筆者が『日御碕神社』を訪れたのは金曜日のお昼頃。平日ということもあり、参拝者は筆者のほか数組しかいませんでした。おかげで、とても静かに参拝させていただきました。

 

駐車場に車をとめて正面に回ります。まずは鳥居で一礼して境内へお邪魔します。


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参道を進むと、正面に赤い楼門が見えてきます。これがまた見事な楼門です。どこか京都の八坂神社(祇園さん)の楼門に似ていますね。

 

考えてみれば…八坂神社の御祭神「牛頭天王」は、素戔男尊と同一とされていますから…どこか通ずるものがあるのでしょうか。


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『日御碕神社』には2つの本社があります。参道を真っ直ぐ進むと、天照大神を祀る「日沈宮」、右手前の高台に素戔男尊を祀る「神の宮」が建てられています。並んでいるものや相対しているものはありますが…斜めに配置されているのは珍しいように思います。


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まずは正面にある「日沈宮」に参拝します。ここからはあまり見えませんが、この本殿の裏手は海になっています。そのすぐ裏の海に、本来この社が建っていた「経島」が浮かんでいます。


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赤い社殿が映えますね!ここ「日沈宮」の御祭神は天照大神、太陽の神様です。太陽の神様というと、日の出方向に建っていることが多いのですが、この「日沈宮」は西、太陽の沈む方向に社殿が建てられています。これもまた面白い造りですよね。

 

また写真の奥に本殿の屋根が見えていますが、千木(屋根から突き出た木)は垂直に切られています。天照大神は女神のはず…ちょっと不思議ですね。


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本殿の右手奥には高台があり、本殿の屋根を間近で見学することができます。屋根と屋根の間(蟇股)には、赤い太陽を中心に、月と雲が彫刻されています。これは、天照大神(太陽)、月読尊(月)、素戔嗚尊(雲?)という、日本の最上神(三貴神)を表現しているようです。


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さて「日沈宮」の参拝を終えたら、次はスサノオを祀る「神の宮」へと向かいます。こちらは石段を登った高台のうえに建っています。スサノオを祀る社が、天照大神を祀る社を見下ろす形になっていますね。これもまた不思議。


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それでは、石段を登って「神の宮」本殿に参拝しましょう。こちらは天照大神を祀る「日沈宮」に比べると一回り小さなお社です。


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こちらも、「日沈宮」と同じく拝殿が本殿と繋がっている権現造りといわれる建築になっています。


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そして興味深いのが…こちら。「神の宮」は男性神スサノオをお祀りされているということですが…なんと千木が水平に切られています。

 

つまりはこういうこと!


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従来言われている「千木垂直=男性神、千木水平=女性神」という例と、なぜかここ『日御碕神社』では逆転がみられるんですよね。

 

そこで、ちょうど境内にいらっしゃった神職さんに尋ねてみました。

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旅人サイファ

「スミマセン。こちら本殿の千木について教えて欲しいのですが…垂直水平が男女逆のように見えるのですが…?」

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神職さん

「あーよく質問されるんですよね」

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旅人サイファ

「千木の切り方で男女神が区別されると、聞いたことがあるのですが…?」

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神職さん

「千木の垂直水平が男女区別しているという説は、割と最近唱えられ出したものなんですよ」

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神職さん

「ここ『日御碕神社』は大変長い歴史があるので…千木の男女神区別ができる前に建てられています。ですからその法則は通用しないじゃないかと考えています。」

とのこと!

 

ふむふむ。なるほど。ここ『日御碕神社』が作られたのは男千木女千木という区別ができるはるか前。ですから、千木で男女区別の法則が通用しない…とのことなんですね。

 

ふむ…。理解できなくはないですが…それならば、片方が垂直、もう片方が水平…になってるのは、何故なんでしょうかね?両方垂直(または水平)ならば分かるのですが。…謎が残りますね。

 

もしかしたら、かつては「日沈宮」と「神の宮」の神は逆だったのかも!?考えてみれば、スサノオは夜(または海)を司る神ともされていますしね。

 

想像をたくましくすれば、『元々西向きのお社(現在「日沈宮」がある場所)でスサノオを祀っており、上座にあったお社(現在「神の宮」がある場所)で天照大神を祀っていた…?ある時をもってそれらが逆転した?』と考えると辻褄が合いますが…果たして?

 

さて、境内を散策していると…森の最奥に続く鳥居と石段がありました。
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石段は一直線に上へ繋がっています。
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奥社的な存在でしょうか。行ってみましょう。


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最上部まで登ってみると、そこには稲荷社がちんざしていました。なぜこんなところにお稲荷さまが…?こちらでもきちんと二礼二拍手一礼でご挨拶します。

 

ここは、隠れたパワースポットとして一部で有名な場所のようです。どうも、境内での振る舞いが失礼と判断された場合…この石段は見つけられないように呪いをかけられるとか!稲荷社を見つけられた方は、神に許可された証拠とも言えますね。良かったー!


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さて、参拝を終えて境内を後にしようとしたところ…いやちょっと待って?この回廊…すごくない?

 

実はここ『日御碕神社』をぐるっと取り囲む回廊もまた国の重要文化財!とても雰囲気のある回廊ですので…ぜひお見逃しなく!

 

『日御碕神社』へのアクセス/駐車場/所要時間

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『日御碕神社』は、出雲大社の北西にある日御岬近くに鎮座している神社です。

 

最寄り駅はJR出雲市駅。駅前から路線バスが出ていますのでそちらをご利用ください。乗車時間はおよそ60分ほどで、本数も限られますので予めチェックしてから足をお運びください。

 

日御碕線(上塩冶車庫~JR出雲市駅~ゆめタウン~高松~出雲大社バスターミナル~日御碕神社・日御碕灯台・宇竜)日御碕・宇竜方面|出雲管内時刻表・運賃表案内|一畑バス

 

お車の場合は、JR出雲市駅前から20分、山陰自動車道の出雲ICからですと30分ほどです。境内に広い駐車場がありますので、そちらをご利用ください。

 

参拝自体は30分ほどあれば充分ですが、じっくりとご見学もなさりたい場合は45分ほどあればよろしいかと思います。

 

サンライズ出雲で行く出雲神社めぐり旅行記】2日目。この日は出雲大社とその周辺の神社をめぐっています。『日御碕神社』の参拝を終えた筆者は、出雲大社門前町で食事を取ることにしました。次回もお楽しみに!

 

『日御碕神社』の基本情報

アクセス

JR山陰本線 出雲市駅より路線バス

山陰自動車道 出雲ICより30分

 

営業時間

24時間参拝自由

 

定休日

年中無休

 

参拝料金

無料

 

駐車場

無料駐車場あり

 

アドレス

島根県出雲市日御碕455

0853-54-5261