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東京ディズニーリゾートには日本庭園の技術が用いられている!?ディズニーの空間作りと日本庭園の超絶テクニック!

こんにちは!旅人サイファです。

今回はテーマパーク・遊園地のお話を少々! 

 

日本最大のテーマパークと言えば、皆さんどこを思い浮かべますか?
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多くの方が、千葉県浦安市の『東京ディズニーリゾート』を挙げられると思います。

年間入場者数は二位以下を大きく突き放しての第一位!圧倒的な王者とも言える存在です。

 

では続きまして、遊園地の象徴的な建造物と言われれば…皆さんは何を思い浮かべますか?お化け屋敷?ジェットコースター?色々なものが挙げられると思いますが、その中でも『観覧車』と答える人が多いのではないでしょうか。

 

そうなのです。多くのテーマパークや遊園地には、観覧車や展望塔が作られ、遠くからでも目立つ象徴的な建造物となっていることが多いのです。

 
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しかし…!日本最高のテーマパークである『東京ディズニーリゾート』のパークには観覧車はありません。それどころか、園内を一望できるような展望塔や展望台も存在しません。これはなぜでしょうか?

 

ここ数年、京都など各地の日本庭園を巡っていると…気が付くことがありました。

それは、「見せる部分」と「見せない部分」の差別化です。

 

多くの庭園では、庭園の周囲に生け垣や木立を巡らし、綿密に計算して園外の景色やバックヤードがゲストの目に触れないように設計されています。

 

例:桂離宮

 

そうなのです。東京ディズニーランド東京ディズニーシーにも、同じ手法が取られているのです。周囲を囲む塀や木立によって、園内にいるゲストは外の世界が一切見えません。周囲には高層ホテルが林立し、自動車道はおろか電車すら走っているはずなのに!

 

あなたは不思議に思ったことはありませんか?『東京ディズニーランド』の象徴、シンデレラ城の最上階や、『東京ディズニーシー』のプロメテウス火山に、ゲストが立ち入ることができないことを。

 

もしも東京ディズニーリゾートのパーク内に観覧車や展望塔があったら…それは素晴らしい眺めを堪能できるでしょう。夢のディズニーリゾートを一望できるスポット!と、人気になるのは間違いありません。がしかし…それだけに留まりません。

 

観覧車や展望塔といった高いところからですと、『見えなくて良いもの』がまでも見えてしまうのです。それは俗世間…外の世界です。

 

例えば近くのオフィスビルが見えてしまえば、そのようなビルに勤める人は翌日の仕事のことを思い出してしまう。夢の国に浸れなくなる。そうさせないために、ゲストは、視界すらもコントロールされた夢の空間に閉じ込められるのです。

 

機会がありましたら、『東京ディズニーランド』や『東京ディズニーシー』から、外の世界が見えるスポットを探してみて下さい。あるにはありますが…ごくわずかしかないことに気が付くでしょう。

 

これは、ディズニーリゾートが意図的にそう設計されているから!

 

かつて『東京ディズニーランド』には高所を移動するロープウェイがありましたが、これもトゥーンタウンの開発に伴って廃止されています。これも、高所から周囲を見渡せてしまうロープウェイを、ディズニー側が嫌ったため…とも言われています。

 

この、視界や視野を操る超絶テクニック。この手法は、まさに日本庭園が得意とするテクニックです。

 

また、まるで映画のような劇的な舞台転換も、同じく日本庭園が得意とするテクニックです。

 

東京ディズニーランド』も『東京ディズニーシー』も、限られた敷地に複数のテーマエリアが複合された設計がなされています。しかし、自分たちのいるテーマエリアから、異なる別のテーマエリアは敢えて見えないように作られています。

 

東京ディズニーランド』で言えば、西部開拓時代をテーマにした「ウェスタンランド」と、物語の幻想的な世界をテーマにした「ファンタジーランド」は隣接しています。地図で見るとすぐお隣。

 

しかし…この両エリアを繋ぐ通路は曲がりくねっており、先を見渡せない形状になっています。

 

つまり、「ウェスタンランド」からは、幻想世界の「ファンタジーランド」は一切見渡せない設計がされているのです!
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東京ディズニーシー』でも同じように、ヴェネチアをテーマにした「メディテレーニアンハーバー」と古き良きニューヨークをテーマにした「アメリカンウォーターフロント」も隣り合っていますが、わざわざ傾斜地に土盛りをすることで、それぞれからそれぞれが見えないように設計されています!
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この、視界をさえぎることによる、ゲストの視野を操る超絶テクニック!これは以前、当ブログで記事にした京都嵐山にある『大河内庭園』でも採用されています!実際に庭園内で歩みを進めたゲストだけが…その劇的な舞台転換に驚愕し感動するのです!

 

さらに、日本庭園の得意とする「借景(しゃっけい)」というテクニックも、『東京ディズニーリゾート』では取り入れられています。

 

例えば、『東京ディズニーシー』に置かれているS.Sコロンビア号という大きな船。園内から見ると、その背後には、広々太平洋が広がって見えています。しかし…本来そこは、ディズニーリゾートの駐車場へのアプローチとなる道路や、ディズニーリゾートを一周するディズニーリゾートラインという電車が走っている「はず」なのです。


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そこで、ディズニーリゾートはあるテクニックを使っています。敢えて、盛り土をして園内を高くし、逆に園外の道路や線路は低く設計することによって、外界の情報を遮断し、本来見せたい海だけを視界に入れる…!上の写真で、驚くべき事実が見えるかと思います。S.Sコロンビア号の背後には、防波堤が見えますが、その先には…はるか太平洋が見えているではありませんか!!

 

本来、海だけを見せるなんてことは不可能なんです。なにせ、パークと海の間に道路や線路があるはずなのですから!!

 

驚きませんか!?アメリカ的な近未来世界の象徴である『ディズニーリゾート』は、実は純日本的な日本庭園のテクニックがふんだんに使われて成り立っているのです!

 

それは、ゲストの視野を狭めて視界をコントロールする超絶テクニック!こう言ったテクニックが散りばめられているからこそ…我々ゲストは夢の国に浸り、俗世間のことを考える間もなくディズニーリゾートの世界を楽しむことができるのです!

 

これが、日本最高峰のテーマパーク『東京ディズニーリゾート』の人気を支える基礎になっていると言っても過言ではありません。

 

この完全にコントロールされた空間に入ったら、俗世間のことを考えることなく、その世界観に浸ってください!実はその影には…日本庭園のテクニックが散りばめられていることも忘れずに!