明治天皇が眠る『伏見桃山御陵』と圧巻の大階段!

京都市伏見。酒蔵の町として知られるこの地には、日本近代化の祖・明治天皇の陵墓(お墓)があります。今回は、訪れる人もあまり多くない明治天皇の眠る『伏見桃山御陵』をご紹介します。
筆者紹介
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こちらは【年末年始京都旅行記】連載からの記事をお届けしています。なおこの日は、大阪在住のベテラン旅行ブロガー「曖昧さん」と待ち合わせしてご同道をお願いしました。
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『伏見桃山陵』の歴史
明治45年7月30日、日本を近代化に導いた明治天皇が東京の皇居にて崩御しました。同年9月、大喪儀が執り行われた後に埋葬されたのが、ここ京都市伏見の『伏見桃山陵』です。
この場所…実は、かつて豊臣秀吉が天下の政務を執った伏見城の本丸にあたる場所なんです。
東京で生活していた明治天皇の墓所が、なぜここ京都にて営まれたのは、天皇の遺言によるものとされています。生まれ故郷の京都で眠ることを希望されたのでしょうかね。
この『伏見桃山陵』のある場所では、かつて陸軍の軍事演習が行われたことがあるそうです。その際、この場所からの眺めを明治天皇は絶賛したそうで、陵墓の場所を決める際の決め手になったとも言われています。
明治天皇陵である『伏見桃山陵』は、天智天皇陵を参考にした上円下方形陵墓になっています。上側に円墳、下側に方墳を組み合わせたような形ですね。
陵墓の表面は「君が代」でも歌われるさざれ石で覆われ、上部の円丘部分は6.3mも盛られています。そしてその中に天皇のご遺体を入れた棺が納められているとのこと…。かつて秀吉が天下の政務を執った伏見城の本丸部分で、明治天皇は眠っておいでなのです。
『伏見桃山陵』の見どころ
『伏見桃山陵』は、JR奈良線の「桃山駅」から西へ伸びる参道を緩やかに登った先にゲートが見えて来ます。ゲート前には「明治天皇陵/昭憲皇太后陵」と書かれた石碑が建てられています。基本的に朝から夕方までの出入りは自由で、受付等も必要ありません。地元の方がのんびりとお散歩される姿も見受けられました。
『伏見桃山陵』への参道は両側に梢高い杉の森が広がっています。そのせいか、伏見の町中から10分足らずの距離にも関わらず周囲はとても静か。どことなく厳かな雰囲気が漂っています。
この森は約90ヘクタールもあるようで、陵墓であるため100年以上ほとんど人の踏み入ることのない自然溢れる森が形成されています。どことなく東京の「明治神宮の森」と似たような印象を受けますね。
この参道を歩く人はそれほど多くありません。町の喧騒を忘れ、周囲は自らの砂利を踏む足音とわずかに聞こえる鳥の鳴き声くらい。この日は、同行して下さった旅行ブロガーさんと自己紹介しながら参道をゆっくり歩かせていただきました。
ちなみに、『伏見桃山陵』の作られている木幡山は、山全体が豊臣秀吉によって築かれた「伏見城」の城域内です。陵墓として整備されたためか、現在は城跡的な雰囲気はあまり残っていません。ですが、ところどころこのような巨石が置かれたままになっています。これらは発掘時に掘り出された伏見城の石垣遺構だとか!
さて、参道を緩やかに進むと…ここ『伏見桃山陵』の見どころのひとつにたどり着きます。
それがこちら!『伏見桃山陵』名物にもなっている大階段!その段数は圧巻の230段!引きで見ると、その全貌が良く見えますよね。
いよいよ…大階段を登ります。この大階段は幅も広く取られているため他の通行人と接触することはなさそうですが…バランスを崩すと一気に落ちることもありますので充分ご注意くださいね。なお、地元のスポーツ団でしょうか。この大階段を上り下りしてトレーニングしている、人々もいらっしゃいました。
ちなみに今回ご同行をお願いしたのがらこちらの方!旅行ブログの老舗【あいまいだいありー】を執筆されている「曖昧さん」です。大階段を登りきったところで素敵な後ろ姿を見せて下さったので1枚パシャリ📸
ちなみにここ大階段の頂上部分からの眺めがこちら!この方向には、かつて巨大な「巨椋池」という池が広がっていました。琵琶湖から流れる宇治川と、木津川、桂川が合流する地点にできた遊水地で、池と称するよりも「湖」と称した方がしっくりするほど巨大な水場でした。昭和初期まで残されていましたが、現在はほぼ全てが干拓されて町が作られています。
さて、大階段を登りきったところに、いよいよ目指す『伏見桃山陵』が作られています。ここは秀吉の「伏見城」の本丸部分にも当たります。
ここ『伏見桃山陵』にも鳥居が置かれています。こういった陵墓や天皇の居所であった京都御所なども、宗教的には神社神道の聖地のひとつなんでしょうね。
戦後の国家神道の否定によって天皇家と神社は距離が置かれてしまいましたが、本来、神社神道の最高神「天照大御神」は天皇家の祖先神でもありますしね。
通常は、この鳥居の手前に柵が置かれており、これ以上近寄ることができません。しかしこの日は1月2日。実はお正月三ヶ日だけ、特別に柵が撤去され、陵墓のすぐ近くまで近寄ることができるんです!
ただし、鳥居より先は撮影禁止です。こちらは鳥居の手前から望遠にして撮影させていただきました。上円下方墳の形がわずかに分かりますね。この中に…明治天皇のご遺体が現在も棺に入れられ納められているのです。
平安京を作った桓武天皇陵もお隣に!
さて、明治天皇陵の参拝を終え、次にもうひとつのスポットへ立ち寄りました。
実は、明治天皇陵のすぐ裏手には、平安京を作った桓武天皇の柏原陵も隣接しているのです。ちょうど明治天皇陵の北西方面ですね。
明治天皇陵へ続く参道から北へ分岐する石畳の道がありますが、こちらが桓武天皇陵への入口です。
森の中の参道を5分ほど歩くと、桓武天皇陵「柏原陵」へと到着します。こちらは明治天皇陵ほど参拝者はおらず、しん…!と静まり返っていました。しかしそのおかけで、静寂の雰囲気はこちらもまた素晴らしい!
しかし…面白いですよね。平安京を作り、京都千年の都を産んだ桓武天皇と、その1000年後に明治維新を推し進め、京都の都としての機能を終わらせた明治天皇の陵墓がほぼ同じ場所にあるという…。隣あって眠っている両帝は、今も伏見の地から、京都を守護しているのかもしれません。
『伏見桃山陵』へのアクセス/駐車場
『伏見桃山陵』へは、JR奈良線の「桃山駅」が最寄りです。駅からはおよそ1kmほど。ゆるい坂道を登ること15分ほどで到着します。
また、近鉄京都線の「桃山御陵前駅」や京阪本線の「伏見桃山駅」からも徒歩20分ほどで歩くことができます。
お車の場合は、京都駅から20分ほど。ただし駐車場はありませんので、周辺のコインパーキングをご利用する必要があります。また、車両進入禁止区域がありますので、必ず歩きやすい靴や服装で行かれることをおすすめします。
まとめ
いつも賑わう京都ですが、ここ『伏見桃山陵』は穴場中の穴場。あまり観光客が足を向けないスポットです。しかし、その神聖かつ厳かな雰囲気は必見!ぜひ一度訪れて欲しいスポットです。明治天皇の眠る『伏見桃山陵』へ、大階段の景観と合わせてぜひ訪れてみてください!
【年末年始京都旅行記】5日目、旅行ブロガーの曖昧さんと一緒に、明治天皇の眠る『伏見桃山陵』へと立ち寄りました。この後は、伏見の町中へと戻り、酒蔵の町を散策します。次回もお楽しみに!
『伏見桃山御陵』の基本情報
アクセス
京都駅より車で20分
営業時間
8:30-17:00
定休日
年中無休
参拝料金
無料
駐車場
なし
周辺コインパーキング利用
アドレス
075-601-1863