『鹿屋航空基地史料館』は戦争の歴史をしっかりと胸に刻めるスポット
鹿児島県鹿屋市。百田尚樹氏原作の小説「永遠のゼロ」の舞台であり、国を守るために命を散らした、神風特別攻撃隊の根拠地のひとつとなった場所です。
筆者紹介
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『鹿屋航空基地史料館』はどんなところ?
鹿児島県鹿屋市。ここには海上自衛隊の鹿屋航空基地があり、現在でも日本の海と空の安全を守ってくれています。
この鹿屋航空基地の前身は、日本海軍の「鹿屋海軍航空基地」です。太平洋戦争末期、ここ鹿屋周辺の基地からは1000人を超える海軍軍人が特別攻撃隊員として南方に出撃、若き尊い命を散らしました。
日本で最も多くの特効隊員が飛び立ったのが…ここ「鹿屋海軍航空基地」なのです。
現在は「海上自衛隊鹿屋航空基地」と組織を変え、その敷地内に、海軍航空の史料を集めた史料館を併設しています。それがここ『鹿屋航空基地史料館』です。
『鹿屋航空基地史料館』へのアクセス/駐車場
『鹿屋航空基地史料』のある鹿屋市へは、鉄道が走っていません。そのため、アクセスはお車(レンタカー)か、路線バスに限られます。
鹿児島空港から車でおよそ100分。路線バスの場合は、空港から鹿屋バスセンター行きに乗り、そちらで乗り換える必要があります。
敷地内には、広々とした駐車場もあります。駐車料金は無料です。また、同じ敷地内には、鹿屋市観光物産総合センターも併設しています。そちらではレストランや土産物店もありますのでぜひお立ち寄りください。
こちらの観光物産総合センター内には、2015年に放送されたTVドラマ版「永遠のゼロ」の撮影で使用されたコックピットなども展示されていました!ファンならぜひ立ち寄ってみてください。
『鹿屋航空基地史料館』の見どころ
『鹿屋航空基地史料館』は野外展示されている飛行機やヘリコプターの奥に建てられています。現在はコロナ対応中のため、事前に入館予約が必要とされています。また、1日4回転の入れ換え制とされています。
今回筆者は、事前予約をせずに訪れましたが、快く入館させていただきました。入館手続きを終えると、この史料館入館者カードを頂けます。こちらに記載されている時間までには退館しないといけません。訪れるタイミングによっては、すぐに入館できない場合や、入ってもすぐに退館しなければならない場合もありますので、事前予約推奨です。
『鹿屋航空基地史料館』の見学は二階からスタートします。まずは、戦前の旧日本海軍航空隊の歴史や事績を学べるスペースからスタートします。日本の航空戦力がどのように生まれ、どのように活躍したか…を、分かりやすく展示しています。
二階には、旧海軍航空隊に身を置いて必死に準備を備え、身を挺して戦った人々に焦点をあてた海軍航空隊の軌跡など、旧日本海軍創設期から第2次世界大戦までの航空史料がかなり詳しく展示されています。
本物の零式戦闘機(ゼロ戦)が展示!
次の展示室には…あの「零式艦上戦闘機52型」いわゆる「零戦」がほぼ完全な形で保存展示されているのです!
大戦中、およそ10000機も生産された「零戦」ですが、現在日本で見ることができるのは全国でわずか11箇所のみ!靖国神社や上野の東京国立科学博物館、浜松の航空自衛隊広報館(エアパーク)など、限られたところでしか見ることができない、本物の「零戦」!
ここ『鹿屋航空基地史料館』に展示されている「零戦」は、鹿児島錦江湾と吹上浜の海底に沈んでいた二機!この二機の「零戦」から、それぞれ使えるパーツを組み合わせて復元した一機なんです。
こちらに展示されている「零戦」は、れっきとした本物です。航空隊員たちは、このコクピットに座り…特別攻撃へと出撃していったのです。
この先のエリアは撮影禁止…
続いて、さらに奥の展示室に進みます。が。この先は撮影禁止です。と、いうよりも、あまりにも重たく苦しく…とても撮影などできません。この展示室には、特別攻撃隊…いわゆる「特攻隊」に関する資料が所狭しと並んでいるのです。
ここ、鹿屋海軍航空基地からは908名、すぐ近くの串良海軍航空基地からは363名…総勢1271名が、鹿屋の地から国と家族を守るために飛び立ちました。日本で最も多くの特攻隊員たちが飛び立った地こそが…ここ鹿屋の地なのです。
(…なんで?なんで?なんで!?)
どうして戦時中、軍上層部はこのような非道な戦術を考案し、認可し、採用したのか。なぜ誰も「NO!」と言わなかったのか?国家国民を守るために人命を引き換えにする矛盾に、おかしいと言えなかったのか?
戦争という狂気が産み出した悪魔の戦術「特攻」。彼ら1271名は何を想い、この地から南の空へ飛び立っていったのでしょうか。
ここ『鹿屋航空基地史料館』の展示資料には、そんな1271名全員の名が掲げられています。彼らひとりひとりの命の上に…現代の我々は生きているのです。
また、屋外展示場には、日本が誇った大型飛行挺「二式大挺」が、展示されています。これは、現存する唯一の機体で、戦後アメリカの航空博物館に保存されていたものを引き取ったものです。その全幅はなんと38mにも及びます。
アメリカの戦闘機にも引けを取らなかったという、超優秀な機体だったとも伝わる名機「二式大挺」が見れるのは世界でもここだけです。
ここ『鹿屋航空基地史料館』は、決して戦前回帰や軍隊賛美のための施設ではありません。世の中には、軍隊に強いアレルギーを示す方もいらっしゃいます。それも仕方のないことでしよう。ですがぜひニュートラルな視線でここ『鹿屋航空基地史料館』の展示を見学してみてください。かつて、この国と国民・家族を守るために飛び立っていった人々がいたことを、現代に生きる我々は忘れてはなりません。今の平和な日本があるのも、すべてそうした先人たちのおかげだと思うのです。
筆者がこの施設を見学して最も感じたのは…そんな先人たちへの「感謝」の二文字でした。
【秋の南九州旅行記】3日目。航空隊の町『鹿屋航空基地史料館』の見学を終え、そろそろお昼です。この日のランチは、鹿屋で人気のとんかつ屋さんへ向かいます。次回もお楽しみに。
『鹿屋航空基地史料館』の基本情報
アクセス
鹿児島空港より車で90分
東九州自動車道から鹿屋串良インター線 東原ICより20分
鹿児島空港より路線バス(鹿屋バス停で乗り換え)
営業時間
9:00-17:00
定休日
年末年始(12/29-1/3)
入館料金
無料
駐車場
無料駐車場あり
アドレス
鹿児島県鹿屋市3-11-2
0994-42-0233