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【宮崎】『飫肥城』と城下町を散策!当時の町並みがそのまま残る絶景!

飫肥城』と飫肥の城下町は武家屋敷がそのまま残る雰囲気抜群の町並みが見事!

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宮崎県日南市飫肥。江戸時代から続く古い城下町を散策します!

筆者紹介

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こちらは【秋の南九州周遊旅行記】からの記事をお届けしています。

 

飫肥城』の歴史f:id:traveler-cipher:20230116183749j:image

宮崎県の南部に位置する日南市。海岸から内陸に車で15分ほど走ったところに、飫肥の町は広がっています。

 

ここ「飫肥」は、薩摩(鹿児島)の島津氏と日向(宮崎)の伊東氏が幾度となく争った係争の地です。両者の抗争は、なんと約100年近くも続きました。

 

元々島津氏は薩摩、大隅、日向の三国の守護を任じられていた正統な守護家でした。しかし、伊豆から日向国北部に領地を与えられた伊東氏の一族が徐々に台頭。当時、一族内で内紛に明け暮れていた島津氏を横目に、伊東氏は日向一国の主として占領してしまうのです。

 

戦国時代中頃(織田信長岐阜城を落とした頃)、伊東義祐の時代に伊東氏は最盛期を迎えます。日向国のほぼ全土を手中に治めた際に、ここ飫肥の地は、伊東氏の嫡男・伊東祐兵へと与えられます。彼は日向南部の拠点として、飫肥城を整備しています。

 

しかし、島津氏が内紛を落ち着けると逆襲に転じます。島津宗家を相続した島津義久は、弟の島津義弘(のちの維新斎)を大将として日向の伊東攻めを開始。やがて伊東氏を圧倒し、伊東一族を日向から駆逐することに成功します。

 

この時、日向一国を領していた国持大名であった伊東義祐・祐兵親子は…初めは大分の大友宗麟を頼りに流浪の身となり、やがて瀬戸内の河野一族、さらには大阪の豊臣秀吉のもとまで流れ着き、10年もの貧困生活を送ったと言われています。

 

時は、豊臣秀吉による天下統一事業の真っ最中。秀吉は、九州島津攻めのために、伊東祐兵を先導役として大軍勢を九州に派遣しました。

 

圧倒的な戦力を投じた秀吉軍によって、島津軍は壊滅。九州のほぼ全てを支配下に入れていた島津でしたが、本国である薩摩、大隅以外は全て没収。日向国内の領土もほほ没収されてしまい、恩賞とし参戦した諸将へ分配されます。

 

この時、ここ「飫肥」を与えられたのが…かつての領主「伊東祐兵」でした。伊東氏にとっては、なんと10年ぶりの領地!飫肥城主としての復活に…感慨も深かったことでしょう!その後伊東氏は、江戸時代を通じておよそ250年間、飫肥藩5.1万石の大名として君臨しつづけるのです。

 

ちなみに、この幕末まで続いた伊東氏は、2022年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」でも登場した「伊東のじ様」こと伊東祐親の子孫です。

 

飫肥城』へのアクセス/駐車場f:id:traveler-cipher:20230116183809j:image

飫肥城』とその城下町は、JR飫肥駅の西に位置しています。

 

飫肥という町は酒谷川によって区切られており、鉄道駅や路線はこの川の内側に入っていないこともあり、昔ながらの美しい城下町がそのまま残されています。

 

JR日南線飫肥駅から『飫肥城』までは徒15分ほど。途中美しい町並みを見ながら歩くと、あっという間に到着します。駅前からタクシー利用しても、5分ほどの距離です。

 

お車の場合は、宮崎自動車道の宮崎ICや宮崎空港からおよそ60分。現在建設中の東九州自動車道が全線完成すると、宮崎市内からのアクセスも大幅に短縮されるでしょう。

 

飫肥城』のすぐ近くに、大きな観光駐車場がありますので、そちらをご利用ください。駐車料金は無料です。

 

飫肥城』の見どころ!

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この日は朝一番、早朝の誰もいない時間帯に『飫肥城』を散策して来ました。普段は観光客でいっぱいになる武家屋敷通りもご覧の通り独占状態!


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この道を行き止まりまで進むと…『飫肥城』の大手門が見えてきます。こちらは、昭和53年に復元されたものですが…実はこの復元がまたすごい!

 

この後、場内でも解説しますが、ここ飫肥の名産品のひとつが「飫肥杉」という銘木!この飫肥城大手門は、そんな飫肥杉の樹齢100年ほど大木を4本使って復元しているとか!


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大手門をくぐると、枡形が作られています。ここは、出撃の際に兵を溜めておく機能と、侵入者を足止めする機能を兼ね備えています。

 

侵入者は、大手門を突破すると、正面に石垣と城壁、左手にわずかに階段が視界に入ります。そうすると当然、侵入者は左手へ進もうとしますよね?しかし左を向いたとたんに…その後方に忍んでいた兵に背中から撃たれて撃退されるという仕組み!巧みな防御機構が作られているのです!


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ここ『飫肥城』は、大手門から本丸に向かって、緩やかな斜面に沿って作られています。そのため、前方に見える石垣や城壁は地形を巧みに利用して非常に高く視界に入ってきます。そのため、圧迫感がすごい!


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ちなみに、この城壁の向こう側には…日南市立飫肥小学校が建てられています。城内ど真ん中に学び舎がある!なんとも羨ましい!まさに登城する感覚で小学校に通っているんでしょうね。


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小学校の建つ本丸のさらに上手の石垣上に旧本丸があります。現在では何の建物も残されてはいませんが、ここが前述した「飫肥杉」が植林されているんです。真っ直ぐに天を衝く杉の美しさ!さすがブランド木材ですね。

 

なお、この場所は2004年に放送されたNHK朝ドラ「わかば」で頻繁にロケが行われた聖地のようです。

 

飫肥城下町』もまた見事!

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飫肥城』の見学を終えて、武家屋敷の並ぶ城下町を散策します。文化的には薩摩に近いのでしょうか。整然と隙間なく積まれた石垣は、鹿児島県蒲生の武家屋敷群にも似た雰囲気がありますね。

 

ここ『飫肥城下町』は、西日本で初めて「重要伝統的建造物群保存地区」…通称「重伝建」に指定された町のひとつです。

 

飫肥の町は、中心部まで鉄道が伸びていません。住民には不便でしょうが…そのおかげで、町は都市化を免れ、古い町並みがほぼそのままで残されている貴重な場所となっています。この地形…山口県の萩に近いと思っています。


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こちらが飫肥の町の地図です。蛇行した川の内側にお城と城下町が作られていて、鉄道は川の外側をかすめて走っています。


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一方こちらが萩の町の地図です。こちらも、川の中州にお城と城下町が作られており、鉄道も旧市街を避けるかのように川の外側を迂回して走っています。

 

飫肥と萩。どちらも素晴らしい遺構が残る城下町ですが、町の中心部まで鉄道路線が入らなかったおかげで近代化を免れたという共通点がありそうです。


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ここ『飫肥城下町』には、江戸時代当時から残された武家屋敷が数多く残されています。この日は訪れたが早朝だったため、内部拝観はできませんでしたが、路地を歩いているとお侍さんがひょいっ!と出てきてもおかしくないくらい、当時の雰囲気そのままの町並みが残されています。


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そんな武家屋敷のひとつがこちらです。このお屋敷は、明治時代に活躍する、とある人物が生まれたところなんです。

 

その人物とは、日露戦争戦争前後で活躍した外務大臣小村寿太郎!彼は飫肥で生まれているんですね。

 

城下町一帯には、小村寿太郎の生家や小村寿太郎記念館なども作られていますので、ゆっくりお時間取って見学されるのもおすすめです。


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いかがでしたか?宮崎県南部を代表する観光スポット・飫肥。『飫肥城』も『飫肥城下町』も国内屈指の歴史スポットになっていますので、ぜひ一度訪れてみてください!

 

【秋の南九州旅行記】も3日目。この日は飫肥の美しい城跡と城下町散策からスタートしました。この後は、宮崎県内をさらに南下!野生の馬が暮らす絶景スポットを目指しました。次回もお楽しみに!

 

飫肥城』の基本情報

アクセス

JR日南線 飫肥駅より徒歩15分

宮崎自動車道 宮崎ICより60分

 

営業時間

24時間散策自由

武家屋敷他は9:30-17:00

 

定休日

年中無休

武家屋敷他は12/29-31は休み

 

見学料金

無料

武家屋敷他は有料

 

駐車場

無料駐車場あり

 

アドレス

宮崎県日南市飫肥10-1-2

0987-25-1905(小村寿太郎記念館)