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【地理コラム】「おんせん県」は本来愛媛県が名乗るべき!?

『おんせん県』騒動は大分県VS群馬県のみにあらず?

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2013年、大分県が「おんせん県」という商標登録を申請し騒動になっていたことをご存知の方も多いと思います。

 

大分県は、県内至るところから温泉が湧き、さらに源泉数や温泉湧出量も日本一の県ですので、それをアピールしたい気持ちはよく分かります。

 

しかし、この大分県による「おんせん県」の商標独占に向けた動きは、全国各地の自治体から猛批判を受けました。

 

特に、自然湧出量日本一を誇る草津温泉を有する群馬県の反発は強く、一時期は「大分県VS群馬県」の『おんせん県』を巡るバトルも大いに注目されましたよね。

 

結果として、この『おんせん県』の商標登録は特許庁から許可が降りなかったため、大分県による野望(?)は、頓挫しました。そこで大分県は戦略を変更!『おんせん県おおいた』を新たに出願し、こちらは見事特許庁から許可を受けています。

 

この時の騒動でも分かるように『おんせん県』騒動は「大分県」と「群馬県」の争いが目を引きました。西の横綱と東の横綱ががっぷり四つ!東西の温泉王国双方に注目が集まる大喧嘩でした。

 

ですが…?

 

古地図を見ていて筆者はあることに気が付いたんです。

 

(あれ?セオリー通りの県名を取っていれば…普通に温泉県は別の県が名乗っていたんじゃないか?)

 

県名の由来の多くは「郡名」から?

 

明治維新後、全国に300以上置かれていた「藩」は、明治新政府の指導により「県」へと置き換えられました。

 

この時、多くの県で県名として採用されたのが、「城下町の名前」か「城下町の置かれている郡の名前」でした。

 

例えば、加賀百万石の城下町金沢では、最初は「金沢県」として県が立てられましたが、やがて県庁が「石川郡美川町」へと引っ越ししたのに伴い「石川県」へと名称が変えられています。

 

また、旧伊予国を県域とする「愛媛県」ですが、この県もはじめは「松山県」として成立し、その後名称を変更して「石鉄県」さらに「愛媛県」へと変わっています。

 

なお、この「愛媛県」という県名は、全国47都道府県で唯一、神話・伝説から名前を取った優雅な名称を持っています。

 

愛媛県は「温泉県」になっていたかも!?

 

しかし、この県名を付けられる際に…他県に倣って県庁所在地の郡名から名前が取られていればどうなっていたか!?

 

こちらをご覧ください!

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伊予国の首府である松山の町。この地は、日本三古泉のひとつにも数えられる道後温泉を有する町です。そんな道後温泉のある松山周辺は、かつて旧伊予国「温泉郡」に属していました。

 

つまり…?愛媛県発足時の県首脳部が、他の県名と同じく通り一辺倒に「県庁所在地の属する郡名」を採用していたら…!今頃愛媛県は「温泉県」であったはずなんです!

 

仮に愛媛県が「温泉県」でしたら、近年行われた「おんせん県騒動」も起こらなかったはず。愛媛県こそが正真正銘の「温泉県」として大いにアピールしていたかもしれません!

 

大分県VS群馬県ばかりがクローズアップされていた『おんせん県騒動』。この裏には、あえて県名を「温泉県」と命名しなかった、愛媛県の先人たちのセンスが人知れず隠されているんです。