ほとんど知らない!?『立山カルデラ展望台』は立山黒部アルペンルートの隠れた絶景スポット!
『立山カルデラ展望台』をご存じですか?実はこの絶景展望台の存在は「立山黒部アルペンルート」を旅する人々の間でもほとんど知られていません。しかし!「立山黒部アルペンルート」の中でも屈指の絶景がここにはあるのです!
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こちらの記事は2022年10月末に訪れた【立山黒部アルペンルートモニターツアー】からの記事をお届けしています。
『立山カルデラ展望台』とは?
「立山黒部アルペンルート」のメインルート上にある弥陀ヶ原。その南側には、知られざるもうひとつの立山とも言うべき「立山カルデラ」が存在しています。
立山黒部アルペンルート(弥陀ヶ原台地)の南側に知られざるもう一つの立山ともいうべき「立山カルデラ」があります。周囲を切り立った断崖で囲まれ、容易に近づけないのであまり知られていませんが、中部山岳国立公園の一部です。
立山カルデラは、東西約6.5km、南北約4.5km、標高差が500~1700mもある巨大なくぼ地です。立山火山に食い込んだ谷が激しい侵食作用によって拡大してできた侵食カルデラといわれています。
カルデラ内の数カ所からは温泉が湧出し、戦前は立山温泉として湯治客や登山客、砂防関係者で賑わいました。
現在、立山カルデラは危険防止のため工事関係車両以外乗り入れ禁止となっています。
実は「立山黒部アルペンルート」が開通するまで、富山県から立山を越えて長野県へ抜けるメインルートは、この立山カルデラ内を突っ切るルートでした。内部には登山道が敷かれ、「立山温泉」という温泉地さえも作られていました。
しかし、江戸時代末期、1858年に起きた飛越地震で、この地にあった鳶山が崩壊(鳶山崩れ)し、立山カルデラ内に大量の土砂が流れ込みます。この土砂は、大地震の2週間後に決壊!大土石流となって富山平野にまで到達するという大災害を引き起こすのです。
実は、この鳶山崩れで発生した土砂の大半は、現在もここ立山カルデラ内にとどまっており…仮に全てが流出した場合、富山平野を1~2mほどの深さで埋没させてしまうという甚大な災害を引き起こすと言われています。それを防ぐために、明治時代から100年規模の防災工事「砂防工事」が現在もなお行われています。
『立山カルデラ展望台』は、そんな立山カルデラを一望する、貴重な絶景展望台なんです!
『立山カルデラ展望台』へのアクセス
そんな絶景展望台が、なぜ人に知られていないのでしょうか?実は、この『立山カルデラ展望台』にアクセスするためには、「立山黒部アルペンルート」の「弥陀ヶ原」でバスを途中下車し、さらに絶景広がる弥陀ヶ原とは反対方面に向かって山を登らないといけないからなんです。
弥陀ヶ原でバスを降りると、室堂に向かって左手に「弥陀ヶ原ホテル」、右手に「国民宿舎 天望立山荘」が建っています。『立山カルデラ展望台』は、高層湿原が広がる弥陀ヶ原ホテル側とは反対側、「国民宿舎 天望立山荘」の裏手から伸びる登山道を歩く必要があります。
「立山黒部アルペンルート」を行く旅人のおよそ9割は、ここ弥陀ヶ原を素通りしてしまいます。しかも「弥陀ヶ原」で途中下車するわずかな人々でさえも、目指すは弥陀ヶ原ホテルとその裏手に広がる「弥陀ヶ原」ばかり。反対側に絶景展望台があることを知らずに、背を向けて歩き出すのです。
弥陀ヶ原のバス停から、『立山カルデラ展望台』まではおよそ10分程度の登り坂。登山道が伸びていますので、苦もなく歩けることでしょう。
「弥陀ヶ原」バス停までは、立山駅からケーブルカーと高原バスを乗り継いでおよそ40分。室堂からは高原バスで15分ほどです。
『立山カルデラ展望台』の見どころ!
今回『立山カルデラ展望台』へは「弥陀ヶ原ホテル」のスタッフさんが案内してくださいました。
このスタッフさんは、3月の小屋開けから山に入っているるらしく、雪に覆われた3月当初の様子なども詳しく教えてくださいました。ここ弥陀ヶ原ホテルは5階建てですが、冬季閉鎖期間中にどこまで雪が積もると思いますか?
正解は、4階の窓まで!ここは雪だまりになるようで、およそ3/4が雪に埋まるとか!ここから、ブルドーザーなどを使って雪を掻き出して、4月の開業に間に合うように作業を進めるそうです。
さてスタッフさんの案内で、『立山カルデラ展望台』への登山道を進みます。標識には徒歩20分とありますが、そんなに時間はかかりませんでした。
10分ほど坂道を登ると…この風景!カルデラと立山南側の山々が一望できます!
右手に目を転じると、日本百名山のひとつでもある「薬師岳」が悠然と佇んでいます。標高は2926m、立山と並ぶ信仰の山としても知られています。
カルデラの底部分には、かつて栄えた「立山温泉」の跡地や、現在も工事関係者専用になっている「砂防工事専用軌道(トロッコ)」、重要文化財に指定されている砂防ダムなどが一望できます。ここ立山カルデラに埋まる大量の土砂がもしも流出したら…富山県の中心部までが埋まるとされています。そんな大災害を起こさせないために…明治の昔から令和の現在まで続く砂防工事が必死に行われているのです。
「立山黒部アルペンルート」に入る年間100万人にもおよぶ旅行者のうち、ここ『立山カルデラ展望台』を実際に訪れる人はごくわずかです。もしかしたら…アルペンルートのすぐそばに、こんなに壮大なカルデラが存在していることすら知らないかもしれません。
しかし、ここ『立山カルデラ展望台』は、わざわざ途中下車して立ち寄るだけの価値がある素晴らしいスポットです!なにせ、富山県や立山の繁栄は…土砂や洪水との戦いの末に勝ち取ったものですから!この展望台に立つと…その戦いの様子を実感できるはずです。
今回は、知る人ぞ知る立山黒部アルペンルートの秘密の絶景スポット『立山カルデラ展望台』をご紹介しました!もしも、「立山黒部アルペンルート」でゆっくりと滞在できチャンスがございましたら、ぜひ弥陀ヶ原バス停で途中下車して、『立山カルデラ展望台』へも足をお運びくださいね!
【立山黒部アルペンルートモニターツアー】に参加した筆者。次回は、弥陀ヶ原にたつゴージャスなホテル「弥陀ヶ原ホテル」への宿泊レポートをお届けします!次回もお楽しみに!
『立山カルデラ展望台』の基本情報
アクセス
富山地方鉄道 立山駅よりケーブルカー高原バスを乗り継ぎ40分 弥陀ヶ原下車
室堂より高原バス15分 弥陀ヶ原下車
営業時間
24時間立ち入り自由
定休日
11月~4月半ばまではアクセス不可
入場料金
無料
アドレス
076-432-2819(立山黒部アルペンルート)
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