こんにちは!旅人サイファです。
今回は筆者のような旅行者にも関わる時事ネタから記事をまとめてみました。
財政難の京都市で「寺社から税金取るべき」の声 戸惑う宗教界、市の見解は|社会|地域のニュース|京都新聞
実は、日本屈指の観光都市である京都市が、財政難で苦しんでいます。
財政の指数でいうと、京都市は既に財政破綻している北海道夕張市に次ぐワースト2位を2015.16年に記録しています。それからやや持ち直したものの、現在もワースト10からは抜け出せていないようです。
その要因は様々言われていますが…
- 地下鉄東西線の大赤字
- 学生が多く納税義務者が少ない
- コロナにより観光客が激減
- 寺社が多く固定資産税が徴収できない
といったところが挙げられています。
この京都市の苦しい台所事情で、目をつけられているのが「寺社への課税」です。
そもそも寺院や神社といった宗教団体は宗教行為で得た収入は「非課税」です。
宗教法人の最大のメリットは、お布施などといった本来事業の収入や境内建物などに関して課税されないことだ。これは宗教法人が公益法人の一種であり、その公益事業は剰余金配当と残余財産分配を行うことができないため、非課税となっている。
ちなみに、以下の場合はこうなります。
- お布施→非課税
- お賽銭→非課税
- お守り販売→非課税
- お祓い料→非課税
- 結婚式→非課税 ※披露宴は課税対象
- お葬式→非課税
- 絵はがきやカレンダー販売→課税対象
- 駐車場代→課税対象
- 不動産賃貸→課税対象
ご覧のとおり、宗教活動本体で得た収入は非課税であるのに対し、本体以外で得た収入は課税対象とされています。
問題は、本来宗教活動を本目的としているはずの寺社仏閣が…「観光集客スポット」と化していないか?という点です。
以下の一覧をご覧ください。以前、こちらのブログでまとめた、京都の世界遺産にリストアップされているスポットの入場料金一覧です。(基本拝観料金・大人1名)
古都京都の文化遺産登録リスト
賀茂別雷神社(上賀茂神社) ★無料
賀茂御祖神社(下鴨神社) ★無料
教王護国寺(東寺) 500円
清水寺 400円
延暦寺 700円
醍醐寺 800円
仁和寺 500円
平等院 600円
宇治上神社 ★無料
高山寺 800円
西芳寺(苔寺) 3000円
天龍寺 800円
鹿苑寺(金閣) 400円
慈照寺(銀閣) 500円
龍安寺 500円
本願寺(西本願寺) 無料
二条城 ☆600円★神社 ☆城郭 無印は寺院
ご覧のとおり、ほとんどの寺院で拝観料を徴収していますし、春や秋の夜間特別拝観の際は、1人1000円近くを徴収する寺院も多くあります。
もちろん、貴重な文化財を有している寺社ばかりですので、その修繕費用などもバカにならないのは分かります。しかし、この拝観料収入が…純粋な「宗教活動」と言えるのかどうか。
参考:宗教法人を設立する場合、以下の要件をクリアしなくてはならない。
1.礼拝の施設その他の財産を有していること
2.布教活動をしていること
3.日頃から儀式行事を行っていること
4.信者を教化育成すること
京都市内に限らず、観光地にある寺社仏閣が、本当に宗教団体なのかどうか?本来目的から逸脱した営利団体になっていないか?これらは少し厳しく見ていかなければならないかも知れません。
もしも営利団体的な活動が目立つ場合は、それに対して所得税や固定資産税の徴収も検討すべきではないでしょうか。
京都市は、寄せられた意見に対し「古都税は検討をしていない」「拝観料や宗教法人の固定資産には、地方税法により原則課税できない」との見解を公表している。
どうやら、現状の法律的に宗教法人から課税するのは難しいようですが…であれば、新しい税の創設なども含めて、自治体と寺社でも支えあっていって欲しいものです。寺社あっての京都市、京都市あっての寺社なのですから。
また、寺社だけでなく我々旅行者への課税(増税)も検討課題でしょう。現在京都市内に宿泊すると「宿泊税」という形で徴収されていますが、これを拡大するのもやむを得ないかもしれません。
京都の魅力は、ひとつひとつの文化財に依るものではなく、たくさんの文化財がひとつの場所に集まっているという、「町としての複合性」も大いにあると思っています。そのためにも、それらを統合する自治体である京都市へも直接支払う税金はあっても良いかもしれませんね。
いずれにせよ…このままでは財政破綻する未来がくっきり見えている京都市。日本が誇る観光都市が財政破綻など…目も当てられません!