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博多と福岡は本来別の町!?【福岡の中心駅が博多なのはなぜ?】前編

こんにちは!旅人サイファです。

唐突ですが皆さんに質問です。

『JR福岡駅って…どこにあったかご存じですか?』

 

福岡駅?福岡でしょ。九州の中心都市じゃん。あたりまえでしょ。何を言ってるの?f:id:traveler-cipher:20211213123350j:image

試しに、鉄道ルート検索アプリで検索してみましょうか。

ゴールは福岡からすぐのところにある南福岡駅としてみましょう。

 

スタート地点→福岡駅

ゴール地点→南福岡駅

検索開始…っと。

福岡⇒南福岡
2021年12月21日
12:11 ⇒ 19:20
------------------------------
所要時間 7時間9分
運賃[IC優先] 18,700円
乗換 3回
距離 924.6km
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■福岡
↓ 12:11~12:23
↓ あいの風とやま鉄道 金沢行
↓ 5番線着
▼[乗換不要] 倶利伽羅
↓ 12:23~12:41
↓ IRいしかわ鉄道 金沢行
■金沢
↓ 13:20~15:59
↓ JR特急サンダーバード24号 大阪行
↓ 2番線発 → 9番線着
■新大阪
↓ 16:18~19:02
↓ JR新幹線さくら565号(N700系) 鹿児島中央
↓ 21番線発 → 15番線着
■博多
↓ 19:11~19:20
↓ JR鹿児島本線 鳥栖
↓ 5番線発 → 1・2番線着
■南福岡
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(運賃内訳)
福岡~金沢 650円
金沢~南福岡 11,880円
金沢~新大阪 1,210円 (特急料金)
新大阪~博多 4,960円 (特急料金)

 

結果はこちら。
f:id:traveler-cipher:20211111111116j:image

は?

 

待て待て待て…なんで7時間以上かかるのよ?アホなの?…と思ったアナタに正解をお教えしましょう。

JR福岡駅はここにありました。f:id:traveler-cipher:20211027191235j:image

© OpenStreetMap contributors

え?は?

 

JR北陸本線福岡駅』※現在はあいの風とやま鉄道福岡駅

f:id:traveler-cipher:20211027191143j:image

そう!JR福岡駅は、富山県にあったのです!

北陸新幹線開業に伴って、現在はあいの風とやま鉄道に移管されていますが、JR福岡駅と言えば九州ではなく、ここ富山県にしかありません。(でした)

 

…あれ?あ。そっか。言われみれば福岡のターミナル駅は『博多駅』だわ。

それでは、そもそも『福岡県福岡市』でイメージするものってなんですか?

…あれ?博多ばかり!?

 

そうなのです。地名で言えば「福岡県福岡市」の一部エリア「博多区」や駅名に過ぎない『博多』の方が、県庁所在地であり、政令指定都市でもある『福岡』よりもブランド力が高いのです。

市名は『福岡市』ですが、JRの中心駅は『博多駅』。

市名とJRターミナル駅名が異なるのは、日本の大都市の中ではここ福岡くらい。なぜ!?どうしてこうなった!?

 

調べてみると面白いことが分かります。現在こそ同じ『福岡市』の市域内にある両者ですが、実は…『博多と福岡は別の町』だったのです!



本来、歴史的には『博多』の方が古いもので、その歴史は2000年以上。

日本列島から大陸への表玄関『博多津』(※古代は那の津)として古代から賑わっていました。その頃から港町、そして商業町として活気ある町が作られていたようです。

 

一方、『福岡』の歴史は江戸時代初期からのものですから、およそ400年ほどの歴史しかありません。関ヶ原の戦いの後、東軍に味方した褒賞として、黒田長政に博多を含む筑前国が与えられました。

黒田長政…かの豊臣秀吉の軍師として仕えた黒田官兵衛の長男です。

 

黒田親子は、筑前に入ると早速その居城の築城にかかります。

この時、現在の大濠公園一帯に作られたのが『福岡城』です。この『福岡』という地名は、かつて黒田官兵衛一族が困窮生活を送ったとされる「備前福岡(現在の岡山県瀬戸内市長船町福岡)」から取ったとされています。

なんと!『福岡』のルーツは岡山県にあるのですね。

 

この『福岡』城は、商業町『博多』から、西方に那珂川を挟んでわずか2kmの場所。f:id:traveler-cipher:20211221114153j:image

© OpenStreetMap contributors

 

古くから住んでいる『博多』の人々から見れば、にわかに出現した『福岡』という城と城下町は、"余所者の町"でしかありませんでした。

 

古くからの商人の町『博多』と黒田家の作った武士の町『福岡』

こうして、現在の福岡市中心部には毛色の異なる2つの町が、那珂川を挟んで併存することになったのです。日本国内では珍しい「双子都市」として発展するのです。

 

後編です!