本日放送のNHK大河ドラマ『青天を衝け』ざっくりコラムです。
明治四年、明治政府は『廃藩置県』を発表します。
教科書的にはたった一行で片付けられる事項ですが、これは前代未聞の大革命。
江戸時代およそ240年。
徳川幕府は全国に300近い大名を配置し、その大名たちを支配していたに過ぎません。
全国の大名たちは、自らの領土から上がる年貢を元に独立採算制をとっていました。
言うなれば、日本全国に300の独立国があり、それら独立国をまとめていたのが徳川幕府。民法や経済システムも、全て各独立国によって様々なものが用いられていました。
廃藩置県とは、それら独立国を廃し全て明治政府直轄の県とするという、一大革命。
一歩間違えば…各地の元大名と武士団による大反乱で日本中戦禍に見舞われる可能性も高かったのです。
それを回避するために、裏方で諸制度を整えたのが渋沢栄一の所属していた改正掛でした。彼らが裏で奔走したおかげで、平和裏に新システムへの移行され、血を見ることなく無血革命が行われたのです。
普通に考えれば、これまで特権階級であった大名と武士の地位をゼロにする革命など、平和裏に行われる訳がありません。
明治新政府が、よほど上手く立ち回らなければ、大混乱と抵抗活動が行われていたでしょう。明治維新は…この廃藩置県をもって結実するのです。
さて今回の話で、栄一の父がこの世を去りました。父の遺品を見て栄一が呟いた言葉。
「…なんと美しい生き方だ」
民のためを思い、自らの蓄財に頓着しなかったと言われる栄一の父。
彼の生き方は、自らの儲けは二の次とし、経世済民の志に生きた栄一の生き方の手配となっていたことでしょう。
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