本日放送のNHK大河ドラマ『青天を衝け』ざっくりコラムです。
前回こちらのコラムでも述べた水戸徳川家の隠された役割。
そんな水戸徳川家から発した学問である『水戸学』こそが、幕末の志士たちの主張の拠り所となりました。
水戸学は朱子学を日本流にアレンジした学問です。
朱子学は、儒教の一派。儒教のエッセンスを煮詰めて純度を高めたような学問です。
朱子学は、王者を尊び覇者を蔑む考え方です。
王者とは徳を持って世を治めるもの。覇者とは武力を持って世を治めるもの。
この考え方を突き詰めると…武力を持って世を治めている徳川家は覇者。
対する王者は天皇家。
水戸学の視点から見ると…徳川家は悪、天皇家こそ正義となるのです。
その思想こそ『尊王思想』。
後の世に、明治維新のスローガンとなる『尊皇攘夷(そんのうじょうい)』の礎になる思想です。
本来は『尊王思想』と『攘夷思想』は別物でした。
『攘夷思想』は夷狄(外敵)の外圧を打ち払うべし!という日本を欧米列強から防衛すべしという考え方によった侵略拒否・植民地化拒否を目的とする思想です。
元々は別物であった『尊王思想』と『攘夷思想』が融合し化学変化したものが『尊皇攘夷思想』です。
未来世界の我々から見ると…『開国』し外国の知識技術を吸収し国力を高めることこそが、この国を保つ唯一の方法です。
しかし、この幕末期は『尊皇攘夷』こそがトレンド。
各地の志士たちは…『尊皇攘夷』、天皇家を立て夷狄を打ち払うことでこの国を守ろうと活動を活発にしだすのです。
そんな水戸学(尊皇攘夷)の影響を最も強く受けたのが、島津家と毛利家でした。
後の世に、明治維新を成し遂げ新政府を建てる、薩摩と長州です。
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