こんにちは!旅人サイファです。
本日は月曜日!
ということで毎週月曜日に連載しているこちら!
【旅人サイファの絶景100選】のNo.12
前回に引き続き近畿編です。
今回ご紹介するのは、京都屈指の名庭園『無鄰菴(むりんあん)』です。
前回ご紹介した桂離宮は、江戸時代に作られたものでした。
その桂離宮に勝るとも劣らない名庭園!それが今回ご紹介する無鄰菴です。
この庭園とお屋敷は明治時代に作られたもの。
明治の元君のうちのひとり、第3代内閣総理大臣でもある山県有朋の別荘として作られたものです。
ここの庭園の素晴らしいところ。
それは流れる水を使った躍動感!
京都は昔から水を確保するのが難しい土地でした。
そのため、京都の庭園は白石を水に見立てた枯山水庭園や、ため池に水を張った庭園が主流となっていました。
しかしこの無鄰菴は違います。
近くを流れる琵琶湖疎水をサイフォンを使って汲み上げ、生きた水を高低差を使って流すという驚くべき手法を取っています。
それでは…無鄰菴の内部をご紹介して行きましょう。
招かれた客は外門から入ると玄関に誘われます。
こちらが表玄関。
さすが明治の元君の別荘。
厳かな雰囲気がありますね。
玄関を入ると母屋に招かれます。
ここでガイドさんから解説を聞くことができます。
この解説、聞かずに園内を回ることもできますが非情にもったいない!
必ず解説に耳を傾けてください。
無鄰菴の庭園は東向き。
庭の最奥にそびえる東山の峰々を借景にしています。
書院から見ると…中央奥に東山。
まさに山と庭園が一体になっているのがよく分かります。
それでは庭に降りてみます。
ここでも桂離宮と同じ飛び石マジック!
不安定な石が無造作に5つ続き…
T字路には古い礎石でしょうか?
まっ平らな安定した石が置かれています。
それまで不安定な飛び石が続いたため、どうしても視線は足元へいく。
人はこの丸石に乗った際にふっと一息つく。
そして視線が自然と上がる…!!
ぱっと顔を上げると…いかがですか!
この明るく広々とした空間!
奥に見える東山との一体感!
そして冒頭に述べた生きた水が使われている小川がチョロチョロと流れています。
歩を進めると…一段高くあがった地には広い池が拵えられています。
これは琵琶湖を模したもの。
この池の最奥にはサイフォンで汲み上げた人工の滝も作られています。
最奥部の周囲はまるで深山に分け行ったかのような鬱蒼とした空間。
苔むした山に迷い混んだかのような錯覚!
この庭の真髄は奥に見える借景の東山。
東山から流れ出した水が滝を作り…広い湖となり…やがて一筋の小川となって町へ流れる。
東山の借景と一体になった壮大なストーリーの中に身を置く体験ができるのです!
そのため、周辺の建物が視界に入らないよう刈り込みや庭木の高さも緻密に計算して作られている!
ここに招かれた客は壮大な大自然に包まれることになるのです。
まさに異世界への誘い!
この庭を作ったのは七代目小川治兵衛。
近代日本庭園の先駆者とも言われる天才庭師。
植治との異名を持つこの庭師は、本来工業用として引かれた琵琶湖疎水を庭園に引き込むという天才的なひらめきで、ここ南禅寺界隈の名園を数多く作庭している。
まさに現代でいう総合演出家のような存在か。
邸内から望む庭は、まさに息を飲む美しさ!
やはりお庭は室内から見た方が美しいように思えますね。
暗い室内と明るい庭園のコントラストに鳥肌立ちっぱなしでした!
動画です!
さて。ここ無鄰菴にはもうひとつ見どころがあります。
それは傍らに建てられた洋館。
こちらは…明治36年4月21日。
司馬遼太郎の『坂の上の雲』でも描かれた無鄰菴会議が行われた場所。
この洋室に
元老・山県有朋
政友会総裁・伊藤博文
の4人が集まり、緊迫していたロシア対応の方針が話し合われました。
まさにこの場所で、日本の将来を決める決定がなされた、歴史的な場所なのです。
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近代日本庭園随一とも言える無鄰菴の絶景!
現在は1時間ごとの予約制になっています。しかしその分、ゆっくりと静かに見学することが可能です。
京都に行かれる際は、ぜひ無鄰菴にも…足を運んでみてください。
無鄰菴
アクセス
岡崎ループ線 南禅寺・疎水記念館・動物園東門前バス停より徒歩4分
開園時間
9:00-18:00
※現在は1時間ごとの予約制
定休日
12/29-31までの3日間
入場料
600円
アドレス
075-771-3909
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