こんにちは!旅人サイファです!
今回は、先日記事にした『府中』の話の続きです!
前回の記事で、日本に同じ名前の『市』は原則存在しない!と書きました。
「市」の名称に、既存の市と同じ名称をつけることについては、これを避けるようにとする自治省(現総務省)の通知(昭和45年3月12日付け自治振第32号自治事務次官通知)があった。
現在、特例はたったの2つ!この2つを詳しく解説します!
① 府中市
まずはこちら。
前回でも話題にあげた府中市。
全く同じ市が2つあります。
これら、なんとほぼ同じ時期に揃ってスタートしているという因縁があります。
東京都府中市(昭和29年4月1日市制開始)
広島県府中市(昭和29年3月31日市制開始)
申請は東京都府中市が先!
にも関わらず広島県府中市の方が1日早く市制開始しています。
この府中市ですが、実は全国に存在します。
前回の記事でも書きましたが、日本全国68の旧国全てに『府中』は存在します。
ですので、いずれ府中の取り合いになるのは予想できたと思うのですが…。
結局この二市がほば同時にスタートしたため、特例としてそのまま同一名称のまま現在に至っています。
② 伊達市
続いて二例目がこちら!
北海道伊達市(昭和47年市制開始)
こちらは、北海道で伊達市が成立してからかなり後になってから福島県の伊達市が成立。
市名を公募した際は、北海道の伊達市との軋轢を避けるために『伊達市』は候補から外し『だて市』として候補に入れていましたが…結果的に漢字の伊達市が選ばれています。
時の総務省にお伺いたてたところ…
『北海道の伊達市が反対しなければいーよ』
という返答(笑)
北海道伊達市と交渉したところ、反対意見がなかったことから、晴れて二つ目の伊達市が誕生しています。
実は北海道伊達市は、仙台藩伊達家からの移民団が作り上げたまち。
ちなみに福島県の伊達郡は有名な戦国武将『伊達政宗』のルーツもここ!
政宗公自身は山形県米沢の生まれですが、先祖代々本拠地としていたのが、福島県の最北端・伊達郡。
(伊達氏は、ここから米沢→会津→大崎→仙台へと本拠地を移しながら東北の大大名として成長していきます。)
この伊達政宗の旧家臣団が、明治維新後に北海道に渡り開拓したのが現在の北海道伊達市の周辺。
先に人口要件を満たして市制を敷いたのが北海道の伊達市ですが、元々のルーツは同一。
だからなのか?あまり揉めることもなく、北海道伊達市からの反対もなかったため、すんなりと福島県伊達市が成立しています。
なお、「市」以外の「町」や「村」は同一名称はNGではありません。
一時期、群馬県には5つの「東村」が存在していたこともあるんですよ(笑)
現在は合併により全て消滅してしまいましたが…。