こんにちは!旅人サイファです!
今回は旅行ネタとは距離を置いて時事ネタを!
『理容師と美容師はどう違う?』
先日、ついに内閣から『緊急事態宣言』が発令されましたね。
この時、制限を受ける業種一覧がマスコミ各社で扱われていましたが、ここに違和感感じた人は居ませんでしたか?
制限を受ける職種
東京都は国から緊急事態宣言が出された場合基本的に休止を要請する施設として、カラオケ・パチンコ店・麻雀店などの娯楽施設・百貨店・ショッピングモールなどの商業施設・大学・専修学校・学習塾・体育館などの運動施設を挙げたほか、居酒屋・理髪店についても休止を要請するとした。
ん?
理髪店(理容室)は含まれてるのに美容室は含まれてないの?
具体的にいうと…
『床屋さん』はNG!
『美容院』はOK!
え?なんで?
どう違うねん?
そこで調べてみました。
理容師業(床屋)と美容師業(美容院)の違い。
理容師と美容師どちらも国家資格です。
理容師とは理容師法にて
『頭髪の刈込、顔そり等の方法により容姿を整えること』
一方美容師は美容師法にて
『パーマネントウエーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすること』
これ、意味分かります?
要約すると…
カットできるのは理容師だけ!
パーマできるのは美容師だけ!
は!?
何をバカなこと言ってるの?
私、美容院でカットしてもらってるけど?
そうなんです。
本来、髪をカットして整えるのは理容師の仕事。
パーマやヘアスタイルを整えるのは美容師の仕事。
実は明確に線引きがされていたのです。
そもそも、両者はひとつの資格でした。
昭和22年施行の理容師法によって、整髪の仕事は理容師の独占でした。
しかしやがて高度成長期を迎えて、女性の美への意識の高まりを受け…昭和32年、理容師法から切り離されて美容師という資格が生まれます。
先に挙げた理容師と美容師の定義はこの時に差が付けられました。
そしてさらに時代が下った昭和後期(昭和53年)
両業で熾烈な縄張り争いがなされていた当時。
時の厚生省局長からこんな通知が出されます。
『美容師は男性客にパーマなどをせず、散髪だけをすることを禁ずる』
まさに行政によるバカの壁。
要は美容院は男性のカットをしてはいけないよという通知。
この局長通知が撤廃されたのはついこの間の2015年。
実は…ほんの5年前まで男性が美容院でカット(のみ)を受けることは違法だったのです!!
(※事実上は黙認されてました)
現在、理容師免許、美容師免許の国家試験を受験する人数には大きな差がついています。
理容師試験受験者 年間1000~2000人
美容師試験受験者 年間10000~20000人
なんと10倍!?
現在の有資格者にも大きな差が。
理容師 およそ23万人(理容室12万施設)
美容師 およそ49万人(美容室23万施設)
似て非なる職業、理容師と美容師。
しかし現状、その差はほとんどなくなってきています。
理容師もパーマをするし、美容師もカットをします。
ゆくゆくは…両者を共通資格として再統合する未来もやってくるかもしれません。
(※それぞれの業界団体が歩み寄りを見せれば)
ですが現在は別々の法律、別々の資格。
なので、例えば夫婦で理容師・美容師別々の資格を有している場合でも…同一の敷地で混合して営業することはできません。
入り口は別々。内部も敷居を設けて別施設として営業しなければならないのです。
同じような業種で、同じ設備(鏡と椅子)、同じ道具(ハサミやドライヤー)を扱うのに。
バカの壁を越えられない理容師と美容師。
それでは、今回の緊急事態宣言で理容業はNG、美容業がOKなのはなぜでしょうか?
恐らく美容業はメイクやヘアスタイリングを主な生業とすることから、『一対一の個室』を想定しているからではないか。
一方理容業はカットを生業とすることから、『設備のある空間』を共有していることが想定されているからではないか。
あくまで想像ですが…この線引きも、どこか前時代的な区分けを感じる今日この頃です。
※緊急事態宣言による詳しい線引きをご存じの方いらっしゃったら、ご教示願います。
こちらの記事でも線引きの曖昧さが述べられていますのでご参考まで。